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映画「ジャーヘッド」 [映画:ドラマ、ファンタジー]

戦闘シーンを期待する人には、まったく向いてない作品です。

簡単なあらすじ
第一次湾岸戦争が舞台
アメリカの青年アンソニー・スオフォードは海兵隊員に入隊するが、
待っていたのは虐待とも呼べる厳しい訓練だった。
狙撃隊に配属され戦場へ行くが、銃を向ける敵はなかった。
ひとりの若者が、
自らの役割への疑問に悩む鍛え上げられた兵士になるまでの道のりと、
「戦争」という過酷な現実に身を置いたとき、何を想い何を考えるか。
あらすじ終

以下すこしネタばれ注意

映画の冒頭で
「男は何年も銃を撃ち、そして戦争に行く
 帰国し、武器庫に銃を戻す。もう銃は手にない。
 だが、その手で何をしても・・(略)
 その手は銃を覚えている。」  と語られる。


若者達が、映画(地獄の黙示録)を見せられ、高揚するシーンや、
フセインの悪行を見せられ、戦争モードになっていくさまなど、
人があやつられるのを、第三者的に見てましたが、
狙撃シーンで、主人公より先に引き金を引いている
自分に気付きました。

人が人としての尊厳を失った時
人は戦争の道具に変わります。

撃ち殺すシーンを見るとき、対象は「的」としかみてないのです。
現実の出来事ではありませんが、自分自身に
残酷な、醜い部分があるのがわかります。

現実に、人を殺す訓練を受け、戦地で銃を構えた人には、
生きて戻れても、日常の生活に戻れても、その経験は消されないのです。
たとえ、引き金を引く事さえなかったとしてもです。
後戻りできません。

ふつうの戦争映画とは、味付けが、切り口が違います。

 

残酷なシーンを描いた映画が反戦を目的としていても、
見る人によると、興奮を誘ってしまう恐さも秘めています。
狂気の世界にいなくても、ダークな面を持ち合わせています。
その性質を巧みに利用しようとされる事も忘れてはいけないのです。



(メモ)
映画の基になった回顧録
 こちらの解説から

「ジャーヘッド」とは「海兵隊員」の意味である。
それは彼らの髪型が高く刈り上げてお湯のポットの形をしているからだが、
ジャーヘッドには他にも、
「ラバ、うすのろ、ばか、大酒飲み」という軽蔑的、自虐的意味もある。
完全志願制で勇猛果敢さを標榜し、
海外派遣の尖兵でもあるの海兵隊のマッチョなエリート意識の裏返しでもあるのだ。

湾岸戦争
1990年8月2日にイラクがクウェートに侵攻したのを機に、
アメリカ合衆国が中心となり、
国際連合が多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、
1991年1月17日にイラクを空爆した事にはじまる戦争。



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