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「悪者見参」を読んで [トトとか]

悪者見参(木村元彦著)

きっかけ

オシムの言葉(木村元彦著)を読みたいと思っていました。本は最近はほとんどAmazonで購入しているので、ついでに、カスタマーレビューを読んでいました。”ついでに”というのは、購入するのは決めていたので、参考にするつもりで見てはいなかったのです。そこで、ひとりの人が、「背景を知るのに併せて読めばいい」と、この本を推薦してたのです。そーなのかー、と、軽い気持ちで読みました。


知らない事が多すぎる

正直しんどい。ページが進みません。それは、普段、本を読まないからだけではありません。あまりに知識がなさ過ぎました。ユーゴスラビアが、6つの国に分かれていた事さえ知らなかったのです。
それと、名前が覚えられないのです。○○ビッチが多すぎるのです。


民族浄化

なんと、ショックな言葉なのでしょう。人を、物として扱う言葉です。
いままで、聞き逃していたのです。意識してなかったのです。こんな恐ろしい言葉を。
大量虐殺、迫害で別の民族を地域から排除するのです。
(直接的暴力を伴わない同化政策も含んでいるようですが、民族の意思を無視するのは同じです。)


絶対的な悪者は作られるのだ

カバーにも書かれている言葉です。セルビア人に張られた”レッテル”(悪者)。何故?ここまで特定の民族に憎しみを向けなければいけないのでしょう。政治的な戦略のために、人の命が使われた恐ろしさを、忘れてはいけないのです。

ユーゴ・サッカーに魅せられた筆者が、国歌を歌わない代表(ユーゴ)に疑問を持ったときから始まる。『その背景を追う旅』と、筆者は冒頭で書かれています。
1991年から2001年のユーゴスラビアを、特定の民族に肩入れなく、見たものだけを書き綴られています。

昨日までの友人が、他民族という理由だけで、憎しみあう関係に変わってしまう怖さや、他民族というだけで、狙撃の的にされる恐怖や、長年住み慣れた町を追われる辛さは、今の自分の、想像の枠を超えたことなのですが、それらは現実にあった事なのです。

年表に記された内容では計り知れない真実がここにはあります。
筆者自身が、実際に現地で集めた”当事者の言葉”が記されています。

残念な事に、私の理解力も、伝達力も不足してますので、興味を、逆に無くされないか心配です。読もうか迷われてる方は、他の方の、レビューを見て下さい。

悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記

悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記

  • 作者: 木村 元彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 文庫

 

ドラガン・ストイコビッチ セルビア出身
イビカ・オシム ボスニア・ヘルツェゴビナ出身
マルコ・ビドゥガ(オーストラリア代表) クロアチア出身

参考に各国(独立年)の民族データを調べました。調査年度不明。

スロベニア(1991) スロベニア人84% 旧ユーゴ系10%
クロアチア(1991) クロアチア人89% セルビア人4%
マケドニア(1992) マケドニア人64% アルバニア人25%
ボスニア・ヘルツェゴビナ(1995) ボシュニャク人48% セルビア人37% クロアチア人14% 
セルビア(2006) セルビア人83% マジャル人4% {2002年国勢調査}
 コソボ自冶州 アルバニア人88% セルビア人7%
 ヴォイヴォディナ自治州  セルビア人65% マジャル人14%
モンテネグロ(2006) モンテネグロ人43% セルビア人32% ボニャック人8%



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